広い

新宿を考える

歩く

ゆらゆら視界が揺れる

意識はある

目は座ってる

でもこの街を考えると、足元が揺らぐ

途方もない

手のつけようがない

何をもって新宿を語れるだろうか

上を見上げ、目を細める

青空とビルだけを視界に入れる

あそこに行けば

あそこから見れば

新宿を一望できる

大きな目を持つ

俯瞰して見る

今日を、今を切り取った瞬間に

無作為に、偶然に、集まった人たち

生きてるのも、死んでるのも、たぶんナウで混ぜ込みの新宿

でもその集合体の偶然をどうすれば表せるだろうか

そして自分はそこに居る、そこで生活をする

ただの一個人に過ぎない

その視点を持った上で

足をつけ、街を歩き、偶然何かが交差した人を

撮りためる

そしたら、どうなるだろう

何ができるだろう

そして何を感じるだろう

それが今の動機でもあり

いつまで住むかも分からない

何の約束もない

ぜんぶが偶然の今だから

きっとワクワクするし、してる

自分の生活は全て知らない人によって支えられている

視界に入るビルも、今立つ道路も、全部どこかの誰かによって作られたもので

誰がそうしてくれたのか知らない

さっき通り過ぎた街宣カーを例にとってみても

名前も顔もデカデカと張り出し叫んでるのに

すぎていく人ときっかけを持たなければ

個としての認識も持たれない

覚えてない

えっと…誰やったけ

通り過ぎる人に声を掛けても、受ける方が無視をすれば、それは聞こえない

人が個を認識するのはそれだけ難しいことだろうか

もっと静かに、素朴に

街の個人の声を聞けないのだろうか

宇宙→地球→アジア→日本→東京→新宿

ひっろいひろい

見て見ぬふりも、見れる範囲でしか起こらないし

聞いてないふりも、聞こえる範囲でしか起こらない

「新宿」と言っても

もっと広いし、もっと遠い

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230426