未来へ

 4年ぶり、10回目となる、フィリピン渡航を終えました。コロナで行けなかった間に、僕の大事な人が心肺停止で突然亡くなりました。今回の1番の目的は、その人に会いに行くことでした。子供たち3人を残し、2020年に33歳の若さで亡くなった彼女は、僕にとってたくさんのきっかけを与えてくれた、初めて日本の外で出来た友達でした。

 僕が17歳で、彼女が25歳のときにフィリピンで出会いました。彼女には既に3人の子供が居て、1番上の子がそのとき5歳とかでした。それから毎年のように、フィリピンを訪ねました。彼女は僕にとって姉のような存在であり、今思い返せば、それは人を好きになる気持ちと似たものがあった気がします。もっともっと話がしたくて、知りたくて、その想いだけで、英語に取り組むようになりました。日本とフィリピンで場所は違えど、たくさんビデオコールをして話をしました。日本でもご飯を手で食べたり、部屋を毎日綺麗にしたり、フィリピンの生活を思ったら不要な物の購入や節水もよくしたものでした。深爪も彼女の影響でした。いつのまにかそれらは当たり前の習慣となって見えていなかったですが、4年ぶりに彼らと生活を共にし、今の自分の一部が、どこからきて誰から学んだのか、思い出した瞬間でもありました。

 彼女が亡くなった家とベットはまだ残っていて、子供たちや家族と同様に僕もそこで寝泊まりをさせてもらいました。一層のこと幽霊でもいいから会いたいなと思ったり、夜中に ふと目が覚めた瞬間なんかには「もしかしたら見えるかな」と期待したものでした。が、やはりそこに、彼女の姿はありませんでした。

 あまりに突然のことで、信じきれていないのがまだまだ正直なところで、どうにかまた会えないかと、強く望むばかりです。それでも子供達がグレないで、本当に綺麗な目をして今も育っていることが希望であることを、彼女の両親も話してくれました。

 僕が英語を勉強したことも、写真の前に海外人材採用の会社で働いたことも、その選択の背景には、いつも彼女の存在があり、この10年間の決断の際には必ず頭に浮かぶ存在でした。国を超えて、こうして毎年のように訪ねたいと思える関係性を築けたことは、何かの強い引き寄せと思わずにはいられないです。美しい瞬間がたくさんあり、これからも大切にしていきたい記憶ばかりです。

 一緒に同じ空間にいて、顔を合わせていられることがどれだけ幸せか、何度も思わせてくれました。I love you Julie Ann! And I miss you.

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230920

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